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◆Hydrangea◆
「アイオロス?」
自分の腕を掴んだままのアイオロスにもう一度呼びかける サガをまっすぐ見つめたままのアイオロスの瞳は 酷く悲しげな色を映していた
「・・・もし、許さないと言ったならお前はアイオリアを諦めていたのか?」 「・・・・・・」 「それとも、俺もサガを愛していると言えば良かったのか?」 「私は・・・」 「もういい!」 「ん・・・うッ!」
それ以上絶望的な言葉を聞きたくなかった アイオロスは言葉を紡ぎかけたサガの薄く開いた唇に自分の唇を重ね、 強引に舌を割り込ませた サガの柔らかくて甘い唇は13年前に味わったものと変わりがなかった その唇も、今はアイオリアが独占しているのだと思うと気が狂いそうになった 歯列をなぞり、逃げる舌を絡め取ってきつく吸い上げる 呼吸さえも奪い尽くすような荒々しい口付けに、 サガは立っていられなくなりその場に座り込んだ
「はぁっ・・・ロス、どうして・・・」
その言葉が気に障り、サガの肩を掴んで顔を覗き込む
「どうして、だって?俺の心は13年前で止まっていたんだ! 今でもサガへの気持ちは変わっていない!!」
愛される理由も資格さえも13年前に捨ててしまったと思っていた サガは困惑の表情でアイオロスを見つめる アイオロスの行き場のない感情がサガを追い込んだ
「・・・アイオロス、私はっ・・・・・・私はどうしたらいい?」 「アイオリアの居ない間だけでいい。俺だけのサガに戻って」 「・・・えっ?」 「あの頃に戻りたいんだ・・・」
悲しそうに笑うとアイオロスはサガを強く抱き締めた
軽蔑されたっていい 愛してくれなくてもいい サガが欲しい―――
アイオロスの一人称が私→俺になったのは14歳の頃の口調に戻ったから 普段は無理をして27歳のアイオロスを演じていた・・・という設定があったりします 身体は大人で心は少年のままなのです |