◆Hydrangea◆

 

サガはアイオロスに抱かれ続けている間、一度もその名を呼ばなかった

それがサガの最後の抵抗にも思え、

余計にアイオロスの情欲に火を点す結果となった

絶頂を迎え解放を望んでいるサガの肉棒には紐がきつく縛られ、

達する事を許されていなかった

サガは解放されない熱に狂わされ、その身を震わせている

 

「んっ・・・あああっ!」

「っ・・・サガ!」

 

サガの小さな蕾はアイオロスのもので限界まで押し広げられていた

そこはサガの意思とは裏腹にヒクヒクと蠢き

アイオロスの雄を奥まで誘い込もうとする

熱く熟れた内壁はアイオロスの放った精で濡れており

動くたびにクチュクチュといういやらしい音が零れていた

サガの瞳は固く閉じられ、自分を組み敷いているアイオロスを見ようとはしなかった

その態度に苛立ったアイオロスは腰を打ちつけながらサガに問い掛けた

 

「サガっ・・・何を考えてる?」

「・・・あっ、んんっ・・・何も・・・!」

「アイオリアのことを考えていたんだろう!?」

「やっ、違・・・っ、ああ!」

「くっ・・・!」

 

アイオリアの名前を口にしただけでサガの身体は過剰に反応し、

銜えこんだアイオロス自身を食い千切るように締め付ける

 

「・・・今、お前が抱かれているのはアイオリアじゃないッ!」

「ひゃ、あああああッ!!」

 

13年前とは明らかに違うサガの無意識の反応が悔しい

一方的に気持ちを押し付け、身体を開かせている自分が酷く滑稽に思えた

そんな考えを振り払うようにサガの身体を押さえ付け、

理性を奪うようにして弱い部分を強く抉った―――

 

 

 

 

 

 

 

先程の激しさとは打って変わって

痛々しく紐が食い込むサガ自身を優しく扱き上げる

本来なら何度も絶頂を迎えたのだろう

とろりとろりと蜜を零す先端を弄ればサガのそれはびくびくと震えた

 

「サガ・・・苦しいだろう?」

「ゃっ、あ・・・はあ・・・っ」

「俺の名前を呼んで・・・楽にしてあげるから・・・」

「あ・・・んんっ・・・ロスっ・・・ロスぅ・・・・・・」

 

快楽に溺れきったサガは譫言のようにその名を呼び、

自身の白い腕をアイオロスの背に絡ませた

名前を呼ばれただけでアイオロスは昂ってしまう

サガのその甘やかな声は13年前に戻ったのかと錯覚させるには十分だった

 

「ああ・・・サガ・・・っ、もっと・・・もっと呼んで?」

「アッ、ロス・・・アイオロスっ・・・・・・ああっ!」

「サガ・・・・・・サガっ・・・!」

 

サガを縛っていた紐を解くとアイオロスも己の熱を

収縮する肉壁に激しく打ち付けた―――

 

 

 

 

 

 

 

意識をなくし、ぐったりと横たわるサガを抱き締める

汗ではりついた前髪を掻き分けてやり、泣き腫らした瞼にキスを落とす

サガの頬に残る涙の痕を見ると、少し胸の奥が痛んだが

自分の気持ちを伝えることができ、これで良かったのだと自分に言い聞かせた

あとどれ位サガとこうしていられるのか分からない

 

 

 

―――アイオリアがこのまま永遠に戻ってこなければいいと思った


★おしまい★


 

 

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・・・こんなロス兄さんイヤだ
最後のほう、お互いの名前しか言ってないよ・・・
ちなみにHydrangeaは紫陽花です。季節外れ!

サガを取り巻く環境が13年の間に変わってしまったので心の色も変わってしまった
アイオロスの心の色は今でも変わっていないというのに(古典の短歌の訳みたい)