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◆Hydrangea◆
聖戦後、アテナの力で復活してから数ヶ月が経過していた 復活当時にはギクシャクしていたアイオロスとサガの関係も 漸く「親友」と呼べるようなものに近付きつつあった しかしアイオロスが望んでいるのは「親友」としてのサガではなく、 「恋人」としてのサガだった―――
「サガ、最近溜息が多いな」 「アイオリアが心配で・・・」
お互いの悩みを話し合える間柄になった二人は この日も人馬宮でサガの悩みを聞いていた
「アイオリアが?」 「出張中だろう。だから・・・」 「アイオリアももう子供じゃないんだ。そう心配することもないだろう?」 「そうなのだが・・・アイオリアは―――」
そこまで言うとサガは口を噤んだ その言葉の続きが聞きたくて 促すようにアイオロスは俯くサガの顔を覗き込んだ そうするとサガは頬を僅かに染め、
「アイオリアは私の大切なひとだから」
と、やけにはっきりした声でそう言った 突然の告白にアイオロスはどう反応したらいいのか迷った そんなアイオロスの様子に気付いたのかサガが口を開く
「すまない。ずっと隠していて」 「謝らなくていいよ、サガ」 「アイオリアとのこと・・・許してくれるのか?」 「私の許可など取らなくても・・・アイオリアを愛しているのだろう?」
いくら平静を装おうとしても答える声が震えてしまう 愛しい人から発せられた言葉を信じたくなかった
「ああ。勿論だ」 「それだけでいい」
柔かく微笑むサガを見ると胸が締め付けられる 精一杯の笑顔で応えようとすればするほど 上手く笑えているのかどうかわからなくなる 精一杯の言葉で自分の気持ちを隠そうとするが どうしても止められない想いがあった
「アイオリアはお前を泣かせるようなことはしない。 だから、安心して待っていればいい」 「アイオロス、ありがとう。何だか心が楽になった気がする」
サガは座っていたソファから立ちあがり、別れを告げようとする 明日もまた会えるのに、今日このまま別れてしまうと一生逢えない気がする サガをこのまま帰したくなかった そう思うのが早いか、 アイオロスはサガの腕を掴むと強引に自分の胸の中に引き寄せた
「・・・アイオロス?」
自分の想い人の幸せを願う心とは裏腹に アイオロスには黒い感情が芽生えていた―――
アイオリア出張中。ちょっと危険な仕事らしい。 エピGの化物退治みたいなものだと思われます。 |