◆おあずけ◆
「サガ・・・」
アイオロスの熱っぽい視線が絡み付く サガは昼間のものとは違うアイオロスのそれに気付き、 彼の視線から逃れるように顔を背けた その横顔は僅かに朱に染まっている
「だめだ、アイオロス・・・」 「もう・・・我慢できない」
近付いてくるアイオロスから逃げようとするが いとも容易くサガは壁際に追い込まれる それでも逃げようとするサガの左手を掴んで引き寄せ、 空いたほうの手で耳の裏側から首筋にかけてのラインを撫でると サガの身体はビクリとふるえた
「顔が真っ赤だよ、サガ」 「ロ、ス・・・」
サガはこれから起こるであろうことの期待と不安からか 潤んだ瞳をアイオロスに向ける アイオロスはサガをこれ以上怯えさせないように優しく微笑む
やがてどちらからともなく瞳を閉じ、 唇を寄せ合った―――
唾液の交じり合うくちゅくちゅという濡れた音と互いの吐息しか聞こえない
「んっ・・・ぅ・・・っ、はぁっ・・・ん」
サガは空気を求めて、アイオロスの唇から逃れようとする それでもアイオロスは執拗にサガの唇や舌を追い回す アイオロスの身体を押し返そうとしても 口付けを受けている身体ではうまく力が入らず失敗に終わった
「っう・・・ん・・・」 「はあっ・・・サガ、いい?」
漸く唇を離すとアイオロスはキス以上の行為を強請る アイオロスの指先がサガの性感帯を探るようにすべる
「あ・・・やあっ、だめだ、これ以上は・・・っ」
サガは瞳をぎゅっと閉じ、口許を手で押さえながらそう言った 零れ落ちる涙がサガの頬を濡らす その涙さえもアイオロスは美しいと思った―――
アイオロスはサガをまるで子供をあやすように暫く抱き締めていたが、 蒼銀の髪を一房取ってそっと口付け、
「・・・・・・ごめんね、サガ・・・おやすみ。また、明日・・・」
と言って名残惜しそうに身体を離した
「・・・・・・・・・!」
甘い疼きが体中を駆け巡って サガは去って行くアイオロスの背中を見送ることも声を発することさえもできなかった ★おしまい★ 語り:田○トモロヲ。以上。(おい!) 中途半端な終わり方ですみません サガを大事にしたいのに壊してしまいたいアイオロスと アイオロスと一つになりたいのになれないサガを表現したかったのに・・・ ラブいシリアスは書けないことがよーくわかりました |